なっつゴト。

50代のささやかな日常

仕事のやりがい

土曜日、売り場で大学生風の男性客に声を掛けられた。

「何枚か買いたいので見てもらえませんか」

デパートでも高級店でもないので

ふだんそんなにガッツリ接客をすることは無いが、こういうのは本当に嬉しい。


「何をお探しですか?」

「コートを」


ロングのトレンチとコットン素材のコートを試してもらう。

学生さんかな?わたし的にはカジュアルな綿コートの方が今着ているお洋服には合いそうだけど、背があるお客様だからダブルのトレンチも映えそう。

若いと腕も長いからXLだな…


気に入ってくれた。サイズもバッチリ👌


「あとベストありますか?」

ニットベストなら断然Vネックのアレだな、こっちはLで行けるだろう、と思いこれも試してもらう。


気に入ってくれた。


「あとカーディガンも」

これも背がある方だし、前を留めるとセーターふうにも着られるボリュームのあるカーデをオススメしてみた。

中はカットソーでもいいし、今からならフランネルシャツとかもいいですよー、なんて話からシャツ選びへ。

これもXLだな、と思いつつ、少し色の入った、でも落ち着いたトーンのフランネルシャツをオススメしてみる。

我ながらボリュームカーデにぴったりだ。

結果、コート、カーデ2、シャツ2、ベストをお買い上げしてくれた。


人って、身につける色には自然とこだわりがあると思う。

今着ている色とそんなに離れないトーンの色を買うものだ。

いくつかピンクを身につけているな、って人はまたピンクを買うし、グリーン着てるな、って人はまたグリーンを買う。

そんな不思議な場面をよく見る。

その色が好きだしきっと着ていて落ち着くんだね。


今日みたいに「服を見てほしい」って言われた時は「この人には絶対これいいな」ってモノがあったとしてもあえて強くはすすめない。

今着ているものの雰囲気に似たような形や色のトーン、そんなものを選ぶ。

半歩くらい客観的な目を加えて、ちょっとだけ今よりおしゃれになるようにオススメするのだ。

販売員から見て「絶対こっちの方が似合うな」とか「それはやめた方がいいな」ってこともあるけど…それは言っちゃいけない。

着る人が満足して幸せになることが一番だからね。

販売員に無理強いされて押し付けられても結局着なかったりしたら悲しいし。


自分の好きなアイテムや色もいいけどたまにはプロの客観的な意見を聞いてみると、違う自分を発見できるかもです。


素敵に着てくれるといいな

あのお客様。